好きなことを仕事にしたい。
でも「趣味を仕事にすると後悔する」って聞くし、踏み出していいのか分からない…
好きなことを仕事にできたら、毎日がもっと楽しくなるはず。
そう思う一方で、「趣味が嫌いになった」「理想と違った」という話も耳に入ってきて、迷ってしまいますよね。
先に結論をお伝えします。
趣味を仕事にして後悔する人の多くは、「何が好きか」だけで選び、その仕事で毎日「何をするか」を確かめていません。
仕事を「動詞」に分けて、自分が苦にならない動詞と重なるかを確かめる。
この順番を踏めば、後悔はかなり減らせます。
申し遅れました、キャリア相談士のパロです👺
30代前半までに7回転職して8社を経験し、いまは8社目に腰を据えて働きながら、副業で1,000件を超えるキャリア相談を受けています。
実は私も、好きなことを仕事にしようとして、つまずいた一人です。
この記事では、好きなことを仕事にする前に確かめたい3つのステップを、私の失敗と相談の実例をもとにお渡しします。
(ご本人が特定されないよう、内容は一部ぼかしています。結果は一人ひとりの状況によって異なります)
🗺 この記事は 転職完走ロードマップ STEP 1|軸をつくる(自己理解) の記事です。→ 前後のSTEPを見る(全行程マップ)
趣味を仕事にして後悔する人に共通する、選び方のクセ


好きには、2つの種類があります。
- 名詞の好き:対象そのものが好き(登山、野球、カフェ、ゲームなど)
- 動詞の好き:行動が好き、または苦にならない(話す、教える、直す、整える、続けるなど)
そして、仕事は名詞ではなく、動詞でできています。
趣味を仕事にして後悔しやすいのは、名詞の好きだけで仕事を選び、中身の動詞を確かめていないときです。
私が登山用品のお店に落ちて気づいたこと
昔の私は登山が好きで、登山用品を販売する仕事に応募したことがあります。
結果は不合格でした。
あとで冷静に考えると、その仕事の大半は「接客する」「商品をすすめる」「売る」でした。
山は好きでも、私は「売る」ことにはほとんど興味がなかったんです。
仮に受かっていても、長くは続かなかったと思います。
このときの気持ちは、noteのエッセイ「山は好きでも、「売る」は好きじゃなかった」に書きました。
この記事では、同じ失敗をしないための手順に絞ってお伝えします。
後悔しやすい3つのパターン
- 仕事の大半を占める動詞が苦手:好きな分野なのに、毎日の作業がつらい
- 好きなものが「商品」になる:売上や締め切りが絡み、純粋に楽しめなくなる
- 必要な力を見積もっていない:やりたい気持ちだけで飛び込み、求められる力が足りない
3つ目は、私の3社目がそうでした。
ずっとやりたかった外国人の就職支援の仕事に飛び込みましたが、少ない実績から信頼をつくって売る力が足りず、契約期間の満了とともに去っています。
そのときの話はやりたい仕事に就いたのに失敗|3社目の話にまとめています。
ステップ1|気になる仕事を「動詞」に分解する


まずは、気になっている仕事が、毎日どんな動詞でできているかを書き出します。
ポイントは、「その仕事のいちばん楽しそうな場面」ではなく、「いちばん時間を使う場面」を見ることです。
💬 分解の例(私の場合)
好き(名詞):登山
気になる仕事:登山用品店の販売
毎日の動詞:接客する/商品をすすめる/レジを打つ/品出しをする/在庫を数える/土日に出勤する
→ 時間の大半は「接客する」「すすめる」「売る」。山に登る時間は、仕事の中にはほとんどない
求人票の「仕事内容」から動詞を抜き出す
求人票の仕事内容の欄に書かれている言葉を、すべて動詞に言い換えてみてください。
「店舗運営全般」のようなぼんやりした言葉は、「シフトを組む」「売上を報告する」「アルバイトを教える」まで分けます。
分からなければ、現場を見に行く
求人票だけでは、毎日の動詞までは分かりません。
そんなときは、次の方法で確かめます。
- お店や施設なら、客として行って、働いている人の動きを見る
- その仕事をしている人に「1日の流れ」を聞く
- 職種名と「1日の流れ」で検索して、複数の体験談を読む
以前、販売の仕事で最終面接まで進んだ方に、「一度、お客として店に行ってみませんか」と提案したことがあります。
接客が押すスタイルか相談型か、スタッフに余裕があるか、職場の空気はどうか。
求人票や面接では見えない部分です。
その方は、実際に店を見たことと、自分の働き方の振り返りをあわせて、最終面接の前に「自分には合わない」と判断しました。
入ってから気づくより、ずっと傷が浅く済む判断です。
ステップ2|自分の「動詞の好き」を見つける


次に、自分がどんな動詞なら苦にならないかを探します。
ここで大事なのは、「好き」と自覚していることより、「なぜか続いたこと」に目を向けることです。
動詞の好きが見つかる3つの質問
- 好きじゃないのに、なぜか続いたことは? そのとき、どんな行動をしていましたか
- 人からよく頼まれることは? 頼まれたとき、何をしていますか
- 気づいたら時間が経っていたことは? 頼まれてもいないのに、ついやってしまう行動はありますか
アルバイトでも、学校でも、家のことでもかまいません。
仕事の経験が少ない人ほど、仕事以外の場面に答えが隠れています。
名詞の好きを、動詞まで掘る
「◯◯が好き」と思ったら、「その中で、何をしているときが好き?」と自分に聞いてみてください。
💬 掘り下げの例
ゲームが好き
→ 遊ぶのが好き?/作るのが好き?/攻略法を人に説明するのが好き?/記録を集めて分析するのが好き?
動詞が違えば、向いている仕事はまるで変わります。説明するのが好きなら教える仕事、分析するのが好きなら数字を扱う仕事、という具合です。
私の動詞の好きは、地味なものでした
私の場合、好きという自覚はないのに苦にならなかったのは、次の2つでした。
- お客さんと、用件とは関係ない世間話をすること
- 決められたことを、毎日淡々と続けること
どちらも派手ではありませんし、趣味にもなりません。
それでも、今のルート営業では、お客様への訪問の大半が雑談で、この2つがそのまま生きています。
8社目のこの仕事は、約7年続いています。くわしくはようやく続く仕事に出会えた|8社目の卸売りルート営業に書いています。
ステップ3|仕事と自分の動詞の重なりを確かめる


最後に、ステップ1で書き出した仕事の動詞と、ステップ2で見つけた自分の動詞を並べます。
下の表は、登山用品店の販売を例にした記入例です。
| 仕事の動詞(時間の多い順) | 自分にとって | メモ |
|---|---|---|
| 接客する | 苦手 | 初対面が続くと疲れる |
| 商品をすすめる・売る | 苦手 | 売上の目標がつらい |
| 品出し・在庫を数える | 苦にならない | 淡々と続けるのは得意 |
| 常連さんと話す | 好き | 世間話は苦にならない |
見るべきは、時間の多くを占める動詞が、自分にとって苦手かどうかです。
上の例なら、時間の大半が苦手な動詞なので、好きな分野でも要注意です。
反対に、時間の多い動詞が「苦にならない」側なら、好きな分野でなくても続く可能性が高いと私は考えています。
動詞から、仕事を逆に探してみる
自分の動詞が分かったら、名詞(分野)からではなく、動詞から仕事を探す方法もあります。
| 動詞の好き | 考えられる仕事の例 |
|---|---|
| 話す・関係を続ける | ルート営業、接客、カスタマーサポート |
| 教える・説明する | 研修担当、講師、インストラクター |
| 聞いて整理する | 事務、企画、社内のIT担当 |
| 直す・整える | 保守・メンテナンス、品質管理 |
| 淡々と続ける | 経理、製造、データ入力 |
表はあくまで例です。
同じ職種名でも、会社によって中身の動詞は違うので、最後はステップ1の方法で確かめてください。
向いている仕事の探し方は、向いてる仕事がわからない30代へでもくわしく紹介しています。
「名詞の好き」は、捨てなくていい
ここまで読むと、「好きなことは仕事にしないほうがいいの?」と感じるかもしれません。
そんなことはありません。名詞の好きには、ちゃんと使い道があります。
- 会社や業界を選ぶときの、サブの条件にする:動詞が合う仕事を、好きな分野の会社で探す
- 趣味や副業として残す:仕事にしないからこそ、純粋に楽しめる
- 志望動機の「きっかけ」に使う:ただし、締めは動詞で語る(次の章で説明します)
大事なのは、名詞の好きを「主役」にしないことです。
主役は、毎日続けられる動詞。
軸の決め方は、転職の軸は「興味」より「続けられるか」で決めるでも書いています。
志望動機で「好きだから」を伝えるときのコツ
好きな分野の会社に応募するとき、志望動機が「好きだから」で終わっていると、面接官には伝わりにくくなります。
好きな気持ちは分かっても、「この人はうちで何ができるのか」が見えないからです。
コツは、名詞の好きをきっかけにして、動詞で締めることです。
💬 志望動機の例(架空の例です)
書き換える前:「登山が好きで、御社の製品を長年愛用しているため、志望しました」
書き換えたあと:「登山が好きで、御社の製品を長年使ってきました。前職では、常連のお客様と長く関係を続けることにやりがいを感じてきました。御社の店舗でも、お客様の山行の話を聞きながら、長く通っていただける関係をつくりたいと考えています」
前職の部分は、自分の実際の経験に置き換えてください。
志望動機の組み立て方は、転職の志望動機が書けない人へでくわしく紹介しています。
よくある3つの質問
Q. 好きなことを仕事にするのは、やめたほうがいいですか?
やめる必要はありません。
好きな分野で、しかも動詞も合う仕事なら、最高の組み合わせです。
おすすめしないのは、動詞を確かめずに、名詞の好きだけで決めることです。
Q. 自分の「動詞の好き」が見つかりません
最初から見つかる人のほうが少ないです。
自分では当たり前すぎて、気づきにくいからです。
「人よりちょっとできること」を続ける考え方は、年収アップ転職で後悔しないためにでも書いています。
一人で難しいときは、人に話しながら掘るのが早いです。
Q. 好きな業界の求人が少なく、年収も低めです
その場合は、名詞の好きを「サブの条件」に下げて、動詞が合う仕事を広く探すのがおすすめです。
好きな分野は、趣味や副業で関わり続ける道もあります。
譲れない条件の整理には、NG条件リストの作り方も使えます。
まとめ|趣味を仕事にして後悔しないために


最後に、要点をまとめます。
- 趣味を仕事にして後悔しやすいのは、名詞の好きだけで選び、動詞を確かめていないとき
- ステップ1:気になる仕事を、いちばん時間を使う動詞に分解する(分からなければ現場を見に行く)
- ステップ2:「好きじゃないのに続いたこと」から、自分の動詞の好きを見つける
- ステップ3:時間の多い動詞が、自分にとって苦手でないかを確かめる
- 名詞の好きは、会社選びのサブ条件・趣味・志望動機のきっかけとして生かせる
好きなことは、仕事にしても、しなくてもいい。
毎日続けられる動詞を、あなたの仕事選びの真ん中に置いてください。
あなたの「動詞の好き」、一緒に探しませんか
「好きなことはあるけど、仕事にしていいのか迷っている」
「自分が苦にならない動詞が分からない」
そんなときは、気軽に声をかけてください。
パロの公式LINEでは、チャットで転職の相談を受けています。
あなたの過去の「なぜか続いたこと」から、一緒に動詞を探しましょう。
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